防災モデル地区として取組を重ねてきている野自治会の新たな取組をご紹介します。
3月にコミュニティタイムラインについて学んだので、実際にまち歩きをしてみよう!となりました。
本日午前中に、自治会の協議員の皆さんが集まり目的を共有し始まりました。有田市役所からも防災安全課と福祉課の皆さんが参加されました。
特に福祉課は、災害時の「避難行動要支援者」についての支援を進めていることもあり、今回のまち歩きに合わせて事前に該当者への連絡をしていただきました。
今回は「洪水」想定なので、事前に逃げることができます。いかに意識の中にそれを植え付けるか、事前に行動できるかが大事ですし、そのためにはみんなで声かけができるような普段のつながりが必要です。
今月新しく全戸配付されたばかりのハザードマップを確認してから始めました。残念ながら野地区は、浸水想定も浸水継続時間想定も市内でもっとも深刻です。この土地で暮らしていく以上は逃れられません。
既に要支援者として登録され、地域への情報開示に同意いただいている皆さんのお宅への声かけと、危険な場所チェックを兼ねながらまち歩きをしていただきました。途中で、民間避難ビルとして協定しているトーヨーカネツへも見学に行き、戻ってきてからマップへ落とし込みました。
皆さんは、まち歩きを終えると、暑かったと口々におっしゃりながら会場に戻ってきました。
その後、用意した大きな地図に要支援者宅や危険個所、過去に浸水した場所などを書き込んでいきました。
出来上がった地図をみんなで確認すると、野地区の西側はかなり浸水することが分かりました。例えその位置から外れたところに住んでいても、早く避難しないと山へ登れなくなります。避難情報のレベル4から5になるのは、時間的には早くなります。だから、高齢者や障がいのある方はレベル3の時点での避難が安全です。
また、浸水時間想定が長期になるこの地区では、そもそもに市外への広域避難も検討が必要です。行政が指定している場所にこだわらず、より安全な避難場所を探しておくことが命を守ることにつながります。
そして、今回最も大事だったのは、要支援者のご家族がその思いを直接皆さんにお伝えしたことです。事前の案内で、ぜひ参加され不安なことや必要な支援を伝えませんかと提案していただいていました。
親御さんから、障がいのある子どもさんについて、体の状態や理解度などを説明してくれました。周りの状況を見て自分で判断するのは難しいので、どうすればよいか具体的に何度も伝えてあげてほしいとおっしゃっていました。災害時は親御さんもどんな状況になっているか分かりません。一人でも多くの方が本人の事を分かっていてくれると安心感が増します。
もちろん、非常時に急に声をかけられてもびっくりすることもあるかも知れません。普段から挨拶や話をするなど、少しずつ関係をつくっておくことが大事ですねとお話しました。
野地区でも1度やれば十分ということではなく、繰り返し確認していくことや、要支援者については支援計画の立案も必要だと言われています。こうした取り組みを繰り返しながら、コミュニティタイムラインや要支援者の個別支援計画についても進めていきたいと思います。そして、この動きを有田市の他の地区へも広げていけるように啓発していきます。