まちかど相談所チャレンジ講座では、多様な生き方・価値観に触れるためにさままざまテーマでの学びと語らいの時間をご用意しています。
10/7の開催では、「発達障害」をテーマに、発達障害のある子どもさんを育てる藤井さんにお話しいただきました。
ママだから伝えたい想い
働きながら子育てをするママ、人前でこんな長い講座を担当するのはもちろん初めてのことで、その挑戦に感謝です。それもこれも、1人でも多くの方に発達障害を知ってほしいという思いがあるからです。
文章にするととても伝えるのが難しいのですが、一部お話の内容をご紹介します。
藤井さんは、子どもさんが小さかった時に同じ思いのお母さんたちと、「親会ありだ」というグループをつくりました。実は、発達障害者支援法が出来たのは平成17年、障害者総合支援法に発達障害が明記されたのは平成25年ということで、すごく最近のことなのです。だからまだまだ世間では正しい認知がされておらず、当事者もママたちも大変な苦労をし、差別を受けた方もおられます。
活動自体は、お悩み相談や学習会、遊びの場づくりや、行政への働きかけなどですが、ママという立場では、話を聞いてもらえないことが多かったようです。そこで、広島の小児科医さんが考えた任意資格「発達障害者コミュニケーション指導者」という資格を取ることで、ご自身の話を信頼してもらえる努力をされました。 一緒に立ち上げた当時の子どもさんたちもある程度大きくなり、現在は実質休会中だそうです。ご自身の夢は、「障害をもっていても、学ぶ場所がある・働く場所がある・遊ぶ場所がある地元にしたい」そんな思いから続けているそうです。
発達障害は脳の機能障害
会場におられた皆さんに発達障害ってどんな障害か分かりますか?と問いかけたところ、「聞いたことはあるけどはっきり知らん」「何となくコミュニケーションが難しいのかな」という答えで、ハッキリと答えられる方はおられませんでした。社協職員である私も自信をもって答えることはできません。
育て方だとか、妊娠中の〇〇が悪いとか、家族や周りからいろんなことを言われ、多くはママたちがしんどい思いをすることがあります。そしてそのことがまた子育て環境を悪くさせる悪循環になると思います。脳の機能障害であり、決して親御さんのせいではないのです。
このブログでは、発達障害そのものがどのようなものかは、私自身が特別な知識があるわけではないので控えますが、知的障害を伴うか伴わないかでも違いがあります。藤井さん曰く、「自他ともにわかってもらいにくい障がいだからこその苦労」があるということです。
お話を聞いていて、本当に人それぞれ特性は違うし、こちらの勝手な判断で良かれと思ってすることで余計に混乱させることも多くあるようです。一人ひとりの特性をきちんと知る、ひとくくりにしない、そういった積み重ねが必要ですし、周りや社会がもっと枠組みを外し、寛容になれば暮らしやすくなるのだろうと感じました。
「そんな子いてもいいやん」
そう思って受け止められる社会にするためには、もっともっと多くの方に知ってもらい、感じてもらうことが必要で、社会福祉協議会もそのお手伝いを続けたいと思います。