間もなく新しい時代を迎えようとしている4月半ば。
車を走らせていると、最後の桜がひらひらと舞っている有田市です。

さて、本日から新高校3年生との授業が始まりました。
今年も箕島高校地域課題研究班の6人と学びを続けていきます。

一番初めはこの後チームメイトになる仲間を知る意味で、同じお題に沿って生徒も大人も自己紹介をしました。
好きな芸能人でジェネレーションギャップを感じずにいられませんでした(苦笑)。
「福祉」のイメージを聞くと、高校生はみな「介護」。
昨年一年一緒に地域を回った先生からは「地域づくり」「まちづくり」という言葉が出て、学びの意義を感じました。
「福祉」の幅広さをこれから一年かけて感じていってくれたらいいなと思います。

今日は先輩方の学びを聴く授業。昨年一年間かけて先輩たちがやってきたこと、政策提言した内容を担当の先生から聞きました。
その後、社協ワーカーから「社協」って何かということから、今日来てもらったAGALAがなぜ生まれ、どんなことをしているのかをご説明。
そして、最後は地域包括支援センター職員から、「生活支援体制整備事業」についての説明。

とにかく、1時間少しの間にたくさんの情報が入り、きっとパンク寸前です(笑)。
でもとても態度よく、姿勢よく聞いてくれました。期待大です。

今日、生徒たちとこの授業をしながら、自分たちが暮らす社会で何が起こっているのか関心をもって調べ、解決方法を提起していくというこの学びは、文部科学省がまとめている『2030年の社会と子供たちの未来』に書かれている姿にとても近いなと考えていました。

文部科学省のホームページをのぞくことはそれほどないかも知れませんが、とても大事なことが書かれています。
全文非常に意義深いことが書かれていて抜粋しづらいのですが、特に今日の学びと結びつくと感じるところを抜粋します。

☆「新たな学校文化の形成」より抜粋

略―予測できない未来に対応するためには、社会の変化に受け身で対処するのではなく、主体的に向き合って関わり合い、その過程を通して、一人一人が自らの可能性を最大限に発揮し、よりよい社会と幸福な人生を自ら創り出していくことが重要である(※3)。
そのためには、教育を通じて、解き方があらかじめ定まった問題を効率的に解ける力を育むだけでは不十分である。―略

☆「学校の意義」より抜粋

略―子供たちは、学校も含めた社会の中で、生まれ育った環境に関わらず、また、障害の有無に関わらず、様々な人と関わりながら学び、その学びを通じて、自分の存在が認められることや、自分の活動によって何かを変えたり、社会をよりよくしたりできることなどの実感を持つことができる。
そうした実感は、子供たちにとって、人間一人一人の活動が身近な地域や社会生活に影響を与えるという認識につながり、これを積み重ねることにより、地球規模の問題にも関わり、持続可能な社会づくりを担っていこうとする意欲を持つようになることが期待できる。学校はこのようにして、社会的意識や積極性を持った子供たちを育成する場なのである。
子供たちが、身近な地域を含めた社会とのつながりの中で学び、自らの人生や社会をよりよく変えていくことができるという実感を持つことは、貧困などの目の前にある生活上の困難を乗り越え、貧困が貧困を生むというような負の連鎖を断ち切り未来に向けて進む希望と力を与えることにつながるものである。
このように考えると、子供たちに、新しい時代を切り拓(ひら)いていくために必要な資質・能力を育むためには、学校が社会や世界と接点を持ちつつ、多様な人々とつながりを保ちながら学ぶことのできる、開かれた環境となることが不可欠である。 ―略

学校を拠点に地域と共に福祉教育を行っていく私たちも大事にしたい考え方だと感じます。
2020年の学習指導要領改訂で「社会に開かれた教育課程」がうたわれています。
ワーカーはほんの少しその内容をお聞きしただけですが、どういった教育が必要とされているのかがよく分かります。
もし興味のある方は次のリンクから全文お読みいただければと思います。
文部科学省ホームページ「2030年の社会と子供たちの未来」