8月に入り、子どもたちは夏休み気分最高潮でしょうか?
そんな中、学校の先生方は2学期のことを考えています。私たち社協ワーカーも共に考えています。

先生方との話の中から、福祉教育について考えました。
以前にもお伝えしているように、有田市社協の福祉教育プログラムは「対話」を重視しています。

先日も2学期に入らせてもらう出前授業についてどういう内容にするか協議してきました。
毎年のように出前授業に入らせてもらっている小学校ですが、毎年少しずつ内容が変化しています。
去年は少しだけ疑似体験を取り入れました。

座学とミニ疑似体験、認知症講座を受講した後、子どもたちは地域の介護施設へ交流に行くというプログラムでした。

今年も偶然同じ担任の先生だったので、再度、疑似体験は基本的に取り入れずに行っていることを伝えました。
「何でですか?」
この言葉はありがたいです。

これまでの経験から、疑似体験は高齢者のイメージを「弱い」「しんどい」「助けてあげることが必要」「年とるのは嫌」というマイナスイメージにする感想を一部でつくってきました。私たちは、そんなことを伝えるためにわざわざ授業を使わせてもらっているのだろうか。と考えていました。

ある小学校で、高齢者と「ただ話す」という時間に同席させてもらいました。(「ただ」は悪い意味ではありません。)決めていたのは、自己紹介をするということぐらいであとはお話を楽しむというルールのようでした。その様子がとても生き生きしていて、こういう時間は大事だなぁと思いました。

これからの子どもたちには、「自ら考えて行動する力」「自分の周りや地域の課題について考える視点」「他者との関係性の中で生きていくチカラを拾得していく」などを身につけてもらいたいと思っています。本会の福祉教育実践がその一助になればいいと考えています。

相手を見ずに、疑似体験だけで高齢者のイメージを決めつける授業ではなくて、対話を通してひとり一人の違いを感じ、生き方に触れ、そこから未来を担う自分たちにできることを考えてもらいたいと思っています。

それらを伝え(但し、書いているようにまとまってはいませんでしたが)、去年は一回だった交流を今年は2回にして、対話からその方らが何を望んでいるのか、どんなことを一緒にすれば喜ばれるのかを考えてみませんかと提案しました。
先生も共感してくださいました。さっそく、施設側と日程調整をしてみるとおっしゃってくれました。
加えて、介護施設におられる高齢者と、地域で暮らしている高齢者には違いがあります。違う機会に地域の高齢者と接することがあるはずなので、同じ高齢者という枠組みでもいろんな方がおられることを学び直してほしいことをお願いしました。
私たち自身もこうした対話から先生方の考えを学び、一緒に考える姿勢を大事にしたいと思います。

※高齢者疑似体験がまったく何も生み出さないと言っているのではありません。目的を何にするかで有効に使えると考えていますので補足しておきます。