今年も、糸我小6年生から総合の学習での「福祉」に関する授業のご相談を受け、担任の先生との話し合いを経て、授業がスタートしています。

福祉の対象は誰なのか

糸我小では6年生での5時間枠での授業をずっと続けています。しかし、こちらの学校では毎年同じプログラムはしていません。きちんと担任の先生方と目的について意見交換をしてきたからです。今年も、子どもたちに何を感じてもらい、学んでもらいたいのかについて意見交換をしました。

というのも、「福祉=高齢者・障がいのある方」というイメージは子どもたちだけではなく、先生方にもあるからです。
「ふ」だんの「く」らしの「し」あわせは、先生の中にも子どもたちの中にもあること、そこが分かってから他者と共に生きることを考えられるのではないかとお話をします。
それを感じるためには丁寧なプロセスが必要です。自分事としてふくしを考えること→他者を知ること→共に生きるために自分には何ができるのかを考え→行動すること。こちらからはそんなプロセスを提案し、先生の考えがまとまるのをお待ちしました。

みんなが幸せに生活するために

先生からの単元計画は昨年度までとは大きく違う13時間で上がってきました。正直ワーカーもその増加にびっくりです。お話したことを先生が深めてくださりとても嬉しいです。
このブログでは導入の授業の様子を少しご紹介します。
「福祉」って何やと思う?イメージする言葉を出してみてください。
この問いかけに、子どもたちが出した言葉は、こちらの予想をいい意味で大きく裏切ってくれました。とても豊かに言葉が出てきたのです。

・大切なもの ・幸せ ・暮らし ・快適に暮らせる ・みんなをサポート
・介護 ・差別をなくす ・ボランティア ・ふるさと ・老人ホーム
・ユニバーサルデザイン ・人権 ・ゆたか ・未来  などなど

どうですか?ワーカーはもう授業中に、子どもたちにごめんなさいと思っていました(笑)。
その次は、インターネットや辞書、本などで調べ学習をして確認!

1人一台パソコンの恩恵を感じながらの調べ学習 本派の子もいますよ!

子どもたちの方が豊かな言語化をできていたので、調べ学習は本当に補足的になりました。
そして、最後に福祉の現場で働く人として、こちらから『「ふ」だんの「く」らしの「し」あわせ』をご紹介しました。子どもたちが毎日のようにテレビで目にするウクライナの惨状を例に、あそこに「ふくし」はあるかと問うと皆一様に首を横に振りました。
そうして振り返りでは、「ふくしは自分の身近にあるものだった」と言う子、「弱い立場の人にしか関係ないと思っていたけど、私たちに直結して関わっていた。「ふくし」とは人権であり、幸せであり、とっても大切なもの。私の1つ1つの行動もふくしなんだと思いました。」と言う子もいました。

初回でのこの気づきを土台に、この後、どんどん学びを深めていきます。