有田市内3中学校1年生合同総合的な学習「ゆうわプロジェクト」は、次のステップに進んでいます。
総合的な学習というのは、学校が地域や学校、生徒の実態等に応じて、教科等の枠を超えた横断的・総合的な学習とすることと同時に、探究的な学習や協働的な学習とすることが重要であるとされています。
通常中学1年生は「職」を知るという単元を行っているため、このゆうわプロジェクトでも「職」について考えていきます。

地元のお店を知る

中学1年生では、まだまだ働くことのイメージはありません。そんな子どもたちに、まずは地域にある「職」を知ってもらいたいと考えています。
今回、この単元に入る際にアンケートを実施しました。簡易なフォームだったため、地元の店舗という捉え方にばらつきがあるかも知れませんが、中学1年生の回答は次のようになっています。

1人一台PCという環境のおかげで、グーグルフォームを使ってのアンケートで集計も楽々です(笑)。

中学生が買い物をするという場面自体が少ないのもありますが、内容を見ると、やはりコンビニやスーパーの割合が多いです。
そこで今回、同時期にスタートした紀州有田商工会議所の「BUY LOCAL ARIDA」を導入として授業にも取り入れてみることになりました。

BUY LOCAL ARIDA バイローカルアリダ

紀州有田商工会議所が昨年度から実施しているキャンペーンです。
この企画は、地元のお店で買い物してもらうきっかけづくりですが、実は思いはとても深いもので、地域への愛を感じます。今回は担当の児嶋さんに3校同時配信(10月21日の授業)で話していただきました。

ワーカーは保田中学校1年B組でお聞きしました。短時間で説明をお願いしましたがとても分かりやすくまとめてくれました。教室の雰囲気が分からず話しにくかったようで、表情からもそれが伝わります(笑)。ご苦労おかけしました。

中学生の中には「イオン」などの大型店舗がほしいという希望が多いことを昨年度までの学習で把握しています。そんな子どもたちに児嶋さんはこう語りかけていました。
「有田市に来て地元のものを食べたいと思っても地元にお店がなければ有田市のものを食べられません。
大型店はどこにでもあります(イオンは有田市にはないですけども笑)。有田市ならではのお店が減ってしまうと地域の魅力がなくなってしまいませんか。大型店やネット通販が悪いと言っているのではなく、便利なのは承知の上です。全てを地元購入に変えてほしいという訳ではなく、100回買い物しているうちの1回でも地元で買ってほしいと思うんです。」
そんな日々の積み重ねが有田市の経済や人口減少という課題解決にも役立つのだと思いました。

まさに生徒たちはこの状態の子どもが多いのではないでしょうか。

それから経済効果についても具体的な数字で説明してくれました。
有田市民約26,000人が月に千円、地元で買い物をしたら…
年間 3億1千万円もの経済効果がうまれるそうです!月に千円なら買うものありそうではないですか?

詳しい取組内容はこちらをご覧ください
↓ 紀州有田商工会議所ホームページ

http://kishuarida-cci.or.jp/topics/buylocal

生徒たちは、キャンペーンに使われているチラシをもらい、地図上にある参加店舗について話をしていました。
保田中学校では駄菓子屋さんのお名前が連呼されていました(笑)。しかも生徒の中には、経営者の方の近況も知っている子もいてそこで情報共有されていました。地域の距離の近さを感じました。

みんな熱心にメモをとって聞いていました。

このキャンペーンを活用して、2年後に誕生する「有和中学校」の広い校区にある店舗を知ってもらえたらと思います。現校区別に地元の店舗利用を見ると、やはりバラつきがあります。店舗数自体に差があることも影響していると思います。保田・文成中学校の生徒にとっては、3年生で通う中学校の周りを知る機会にもなると思います。また既に市外から通っている生徒もおり、有田市を知るよい教材になると思います。
ふだんのくらしの中で地域に目を向けるしかけをしてから、また次の段階に進んでいきます。それはまたご報告します。