11月から保田小学校6年生の総合的な学習の時間に社協ワーカーも一緒に入っています。
9月にご相談をいただいて、何度も先生方と打ち合わせを重ねてきました。ひとつプログラム(授業)を終えるたびに、子どもたちはどんなことに気づいただろうか、変化はあったか、先生方が気づいたことはどんなこと?と一緒に話し合いながら進めています。
今日はその前半の部分をご報告します。

地域のいろんな方と仲良くなろう

この単元の一番大きな目標です。この「いろんな方」の中には、子どもたち自身も含まれます。世の中では、金子みすゞさんの「みんなちがって みんないい」の言葉がよく使われるようになり、多様性という言葉を耳にする機会も増えました。本当の意味で多様性を理解することは大人も難しいと思っています。

今の6年生は3年生の終わりにコロナ禍がやってきて、たくさんの体験を重ねるはずの学齢期を特殊な環境で育っています。人と交わる方法では距離を保つことを余儀なくされました。保田小学校だけでなく日本中の子どもたちがそうです。
そんな子どもたちに、先生方は今できる方法で、お互いを思いやる気持ちを育み、一緒に気づき・学び、地域の方も巻き込んで楽しい体験をして卒業させてあげたいと考えています。

自分の「福祉」のイメージを付箋に起こして貼り出していきます。
「政治に関わっている」「えらい人が使う言葉」なんてイメージも出ました。子どもたちもニュースを見ているんですね。でも、えらい人だけのものじゃないよ!それが分かっていくと嬉しいなぁ。

導入の授業では、定番となっている「福祉」とは何かを考える授業を行いました。子どもたちの中には「福祉」のイメージがわかないという子もたくさんいました。そんな子どもたちも、辞書を使いネットを使い調べ学習をした後、ワーカーから「ふだんのくらしのしあわせ」と捉えるお話をしました。毎日が幸せと感じられるように、何ができるのかを考えていくためです。

そろえてドン!

「なかよし」がキーワードなので、この単元ではゲームを通して他者理解を進めます。よくテレビなどでやっている言葉を聞いて思い浮かべる単語を一斉に出す、あのゲームをやってみました。
「コンビニ」と言えば・・・。
さぁ、お読みになっている皆さんは何を思い浮かべますか?

この発想、ワーカーにはありませんでした!

このゲームに正解はありません。実は、ワーカーは保田小学校の子どもたちなので学校の近くにある「ファミリーマート」と書く子が多いかと予想していました。
いざやってみると、「ローソン」も多く出ており、野地区の子どもたちにとっては近いのは確かにローソンの方だなと考えさせられたり、写真にあるように店舗名ではなく、商品名の子も複数いました。他には「からあげくん」も出ていました。
このゲームは揃わなくてもいいというルールが前提なのですが、「それでもやっぱり揃ってほしいと思ってしまう」と正直にいう子もいたり、「揃えるためには、どんな系で来るかな?と考えた」という子もいて、相手の考えを読もうとしていることも分かりました。ゲームを始める前には、「もう6年も一緒なんだから揃わんはずないで~」という子もいましたが、いやいや全員揃うことはなかったのです(笑)。
そのことからも、子どもたちなりに振り返りにいろんなことを書いていました。いつも一緒にいても分からないことや知らないこともある、ということを知っておくことだけでもお互いを思いやるヒントになりますね。

自分の答えをチームメイトに披露しています。
チーム戦でしたが、4人でもなかなか揃わない!(笑) チームメイトを責めないのも約束ですが、ついつい言いたくなってしまう子も…。でも、そういう思いになる子もいるというのもまた一つの気づきですね。発言者は申し訳なさそうに「ついよ~」と言う姿もありました。

この後もまだこの学びは続きます。
今回は、担任の先生方と市教委のコミスク推進員の先生、社協ワーカーがチームになってこの単元に取組んでいます。子どもたちが自分たちの発想を活かして豊かな体験ができるようにサポートしていきます。

※ 写真掲載については学校の許可を得ています。