先週2月16日に「発達障害×はたらくこと」というタイトルの講演会を開催しました。

 これは、ひとりの母親の「自分の子どもが成人しても有田市で暮らしていけるようにしたい」という思いを、社協ワーカーが共有したことから始まりました。和歌山県は大学が少ないので、少し前は、高校を出ていくと地元に戻ってこない県ナンバー1だった記憶があります。でも、今回のお話は、また少し状況が違います。発達障害のあるわが子と有田市でこのまま暮らしていきたいと思うけれど、その特性を理解している方が少ないので、有田市で自分で働いて生きていくことがなかなかできないという現状が親として不安で仕方ないということでした。
 もっと具体的にたくさんのお話をお聞きし、確かに発達障害の診断が出ている子どもさん、大人も増えているということは私たちも聞きますが、制度も社会の対応もそれに追いついていないのが現状です。

 それならば、知ってもらう機会を一緒につくっていきましょうと話し合って数年、ようやく形にすることができました。
 「何を伝えたいのか、わかってもらいたいのか」、声をあげたお母さんも一緒に打ち合わせを進めました。
 テーマが「はたらくこと」なので、雇用する立場の方に聞いてもらいたく、今回は有田市同友会の皆さんにご理解を得て、共催で講演会を開催しました。聞いていただいたのは、同友会の会員の皆さんと、行政や教育に関わる方を中心とした一般枠の方々。約40人弱が集まってくれました。
 そして、迎えた講演会、お力を貸していただいたのはこのお二人です。

 【前編】 ~理論編~ 
  講師 有田市役所福祉相談室 
       臨床心理士/公認心理師 植田喜樹 氏

 【後編】 ~応用理解編~
  講師 和歌山市家庭教育支援アドバイザー/大阪府子ども家庭サポーター
       社会福祉士/保育士  辻 由起子 氏

 お二人の講師先生のおかげでご参加いただいたみなさんの理解が深まりました。
 それは、受講者アンケートからも歴然としていました。なんと回答した方の9割以上の方が、講演会により発達障害に関する理解が深まったと答えられました。また、今回のアンケート回答者は、採用決定する立場にある方だけではなかったことを踏まえた上で、発達障害者の雇用について「具体的なサポートについて指示をもらえる人がいれば雇用できる」と回答いただいた方が2割を超えました。このことから、現状では不十分な支援を拡充していく必要性を感じました。
 もちろん、一度の講演ですべて理解できるわけではありませんので、こういった機会を今後も継続していこうと考えています。