3月15日有田市民会館の紀文ホールを会場に、有田市内3中学校合同「ゆうわプロジェクト」最終発表会が開催されました(箕島・保田・文成中学校主催 / 有田市社協共催)。ちなみに紀文ホールの収容定員は700人強、それぐらい大きな市民ホールです。

このプロジェクトがどんなものかは、過去のワーカーブログからご覧ください。6月から既に9回もブログに起こしているんですっ!(熱量!笑)
https://aridashi-shakyo.jp/category/worker/yuwa/

福祉的な課題の解決方法を提案

生徒の皆さんにとって、1年に及ぶ学習はすごくボリュームがあったはずです。だからこそ、学習の最後に「自分たちは何を学び、どんなふうに考え、どうしていきたいのか」を整理して伝えることはとても大切なプロセスです。
加えて、ゆうわプロジェクトでは、地域課題の解決という大きなミッションがあります。それらは中学生だけではできないことも含まれます。
そこで、一緒に取り組んでもらいたい方や企業の皆さんに聞いてもらう必要があり、今年1年お世話になった方や関係の皆さんにお越しいただきました。

① 今回の司会は箕島・保田中学校の若手教員のお二人!先輩方からのプレッシャーに打ち勝ち、とてもいい雰囲気で司会をしてくれました。自己紹介での「好きな給食ネタ」は登壇する大人たちが引っ張りシリーズ化されました(笑)
②主催者代表あいさつは文成中学校の松本校長。いろんな人が関わってくれてできた学習であることを感謝しようと話しかけてくださいました。
③会場には、3校の1年生と、地域インタビュー・出前授業・未来の就職説明会でお世話になった方々や、各校の学校運営協議会の方々、教育委員会の関係者、保護者等50人以上がお越しになりました。
④3校代表生徒あいさつ 保田中学校児嶋くん。一人で壇上で話す緊張の大役お疲れさまでした!

今はまだ違う校舎で、それぞれに準備をしてきました。先生方も授業の間にある会議で、どこまで進んでいるか、生徒たちはどんなことが掴みにくいのかなど話し合いながら進めてきました。

チームで考えること

生徒たちの振り返り文を読ませてもらうと、こんな感想がありました。
◆「ゆうわプロジェクトを班の人たちと進めていくにつれて、あまり関りのない人とも関わることができ、コミュニケーションの大切さを知ることができました。協力することの大切さに気づくことができました。」(一部抜粋)
◆「他の班との交流や班内での話し合い、他の人の考えを聞きながら、自分たちの班の考えを立て直していくことができました。」(一部抜粋)
◆「みんなで話し合わないと分からないことがあるということが分かりました。みんなで役割分担などをして、みんなで団結して調べることもできました。」(一部抜粋)
◆「僕はあまり他学校の人とは関わりがなかったけど、ゆうわプロジェクトで他学校の人と交流することができました。これで、有和中学校で合併しても他学校の人と話せると思います。」(一部抜粋)

生徒同士でも学び合っていることがよく分かる感想です。同じプロセスを辿ってきたから、お互いの気持ちが分かる、提案内容の良さが分かるのだろうと思いました。
また、ゆうわプロジェクトでは、3校の交流も大切な目的のひとつでした。
中学3年生という多感な時期に同級生が増える生徒たちですが、この取組で少しでも不安が和らいでいるといいなと思います。

緊張のトップバッターは箕島中学校1年1組の代表チーム。厳正なる抽選結果です。

中学生たちの提案

中学生が解決しようと考えたのは、有田市社協の『第3次有田市地域福祉活動計画』で重点課題にあげた4点、「共助のための担い手不足」・「つながりの希薄化」・「当事者の課題共有」・「情報発信」です。その中から、自分たちで現状や背景を考え、解決したいと選んだ課題について、解決策を提案してくれました。

40班の中から、校内予選を経て12班が発表しました。タイトルを見ただけでも、いろんな角度から考えられていることが分かりますよね。この6つは、生徒・大人両方から評価を得た班のスライドの一枚です。

特徴的だったのは、「つながりの希薄化」を課題としてあげた班が半数以上あったことです。コロナの影響を感じずにはいられません。でも、見ていた大人からは、ほんとにコロナだけが原因なのかなという鋭いコメントもいただきました。
それぞれの内容をお伝えすると大変な長文になりますので割愛しますが、一言でいうと「ワクワクしました!」。中学1年生ですから、未熟なところがあっておかしくはありませんが、大人側の感想からは「すごい!」「中1でこんなことできちゃうの?」という驚きのコメントもたくさんいただきました。授業とはいえ、子どもたちが自分たちにできることをこんなに一生懸命考えてくれたことが、大人の気持ちを「自分らも何かせな!」と駆り立ててくれたのです。

会場を巻き込んだ文成中学校のプレゼンスライドの一枚。もちろんワーカーは張り切って手を上げました(笑)。

福祉とは…

1年間ずっとこの大きな問を生徒たちに投げてきました。問いかけてきた先生方もワーカーも一緒に考えさせてもらったと思います。なぜなら、「福祉は特別なものではなく、毎日の、だれの暮らしの中にもあるから」です。
生徒の皆さんも、一生懸命考え、発表の中で伝えたり、振り返り文にまとめてくれました。それはまた別の機会にご紹介しようと思います。

①最終発表の講評者として、左:和歌山大学観光学部 永瀬准教授 右:摂南大学 上野山講師 に来ていただきました。そのことに驚いている生徒もいました!
②大学の先生方の後に…1年間一緒に授業を作った仲間としてワーカーもひと言お時間をいただきました。
③3校代表あいさつ 箕島中学校神保くん。最後まで気が抜けなかったでしょうね。お疲れさまでした。
④締めは、保田中学校井上校長のお話。今回の学習は子どもたちが社会に出た時にきっと役立つこと、地域のご協力があってこうした社会に開かれた教育を実践できることをお伝えいただきました。

中学生だからできることがある!

講評者の上野山先生がおっしゃってくれた言葉です。ワーカーも同感です。何より、子どもたちがこうして発信することで大人たちの心が動かされます。提案内容について、既に何人もの大人が実現に向けて動き出しています(横取りする気はありません)。あくまで主体は生徒たちで、場をつくっていくのが大人の役割だと感じ、ワーカーは次はその調整に入っています。
さぁ、後は「思いを形に、行動にする」ことです。
今年一年3校との授業実践に入らせてもらい、確かに大変なことも多かったですが、子どもたちの変わっていく様子を間接的にでも知ることができ、とても学び多かったです。
受け取った提案は、授業だけでなく、地域や関係の皆さんと実現に向けて動いていきます。その意味もあって社協が入ってきたのだと、覚悟をもって臨みます。