箕島高校の情報経営科地域課題研究班の授業に同行してきました。
今回は、新型コロナウィルス感染症に対応された「有田市立病院」へ伺いました。
まさに、「最前線で」治療にあたってくださった病院です。そして、今も発熱外来を続けられています。
新型コロナウィルス感染症予防の観点から、伺う生徒も半分に絞ることになりました。

インタビューを受けてくださったのは、看護部長とMSWのお二人です。お忙しい中ありがとうございました。

約1時間にわたり丁寧に生徒の質問に答えてくださいました。

私自身が隣で聞いていて印象的だったのは、当たり前のことなのですが、コロナ対応をすることで「突然ひとつの働く場所・仕事が増えた」というセリフです。これまでと職員数は同じなのに、ひとつ場所が増えるということは、従前の仕事をしている方も人数が減り、仕事は増え忙しい思いをされたと思います。そして、感染症病棟へ回った職員さんは特に、細心の注意を払って、感染予防に努められ、それはプライベートも含めた生活にも続くことでした。今回は、他の病院から職員派遣の協力もあったそうです。
私たち社協も通所介護サービスを提供しているので、自分が移す側になってはいけないと行動には気をつけましたが、実際に患者対応される職員のみなさんのそれを想像すると、本当に精神的にご苦労があったと感じます。
「移さない・移らない」ための研修も何度も重ねられ、手洗いうがいの徹底と防護服の着脱、無駄に顔や頭を触らないなど常に意識を集中して従事されています。
現場で何時間も防護服を来て作業をすること、特別何を言われるわけではないのだけれど医療従事者ということで感じることなど、当事者でないと分からない気持ちをとにかく職員同士でお互いに伝えあい、意識して語ることでストレスマネージメントを行っていたということです。

また、医療崩壊は、ベッド数の削減等ふだんの医療行政とのバランスもあるということでした。政策は自分たちの生活に直結するのだということは、今回のコロナ禍に強く学んだことではないでしょうか。高校生も18歳であれば選挙権がありますので、こういった現場の話から政治に関心をもってほしいと思いました。

医療物資も対応途中では入ってこないという情報があり、職員各自が100均でレインコートを買って代用したり、それも手に入らない時はビニール袋で手作りしたというお話もお聞きしました。
そして、どれだけ息苦しいか体験するのが一番だと、実際に医療用マスクを装着させてもらいました。

「どう?息苦しくない?」と聞かれ…「しんどい」と素直に答えていました。

こちらはテレビでよく見る防護服。脱ぐ時に外側に触れないように細心の注意が必要です。

そして、和歌山県では今年2月に近隣町の病院で罹患者が出て閉鎖されたので、市立病院の救急や発熱外来等の対応が増えたということです。ただ、公立病院としてこういった非常事態に対応するという役割を果たしていきたいと力強いお言葉もありました。消防からも災害時用のテントを貸し出してくれ、完全にゾーン分けをするために、地下駐車場での発熱外来も続けられています。

間近でみると物々しく感じられました。行政が災害に備えてこういったものを配備しているというのは心強いことです。

今日のお話はもっともっと皆さんにお伝えしたいのですが、ブログの域を超えてしまうのでこの辺にしたいと思います。
最後にひとつ、高校生の発言をご紹介します。
看護部長から、「高校生ってコロナについては実際どう思ってるのか教えてほしい」と問われた時の発言です。

「実際自分たちはかかっても軽症で済むかも知れないけど、学校もまた休校になるだろうし、自分がかかったら周りに迷惑をかけることになる。」
一番最初にコロナについての意見出しをした時も、生徒たちは感染予防について意識が高いと感じましたが、今日も周りへの配慮を感じました。看護部長は有田で暮らす他の皆さんも同じ管内で罹患者が早くに出たことも影響してか、予防についての意識が高いと感じていると話されていました。

MSWの方のお話にもありましたが、病気自体の封じ込めだけに意識がいくと、人権意識が薄くなることもあります。本当にこのコロナ禍では私たちは「共に生きる」ということを考えさせられます。