今年は7月15日からサマーボランティア体験講座が始まっています。昨年度はコロナで未実施でしたが、社協だけでなくさまざまな主体が参加してくださり、講座数が増えています。
去年のリベンジを
7月26日は、「車いすユーザーとまち歩き」という講座を実施しました。冒頭に書いたように昨年度も計画したものの、感染拡大で実施できなかった講座です。今年は少ない参加者でしたが「去年受けられなかったから」と中学生がリベンジ参加してくれました!そんな言葉だけでほんとに嬉しくなります。
社協でいつもお世話になっているユーザーの桑原さんを講師に、インタビュー形式の対話時間と、実際に車いすに乗って体験するという2部構成でした。
今年は、「平等と公平」を表わしたイラストを用いて、それがどんな状態なのか、桑原さんの実生活に照らし合わせて考えたりしました。一人ひとりの立場にたって配慮することと、環境から変えること、いろんな角度から考える必要がありますねとみんなで話しました。
自分でいろんなとこへ行きたいから、まず免許を取った
今回桑原さんにお話をしてもらった中で、高校を卒業した後、就職よりもまず運転免許を取得されたことをお聞きしました。ご自身は「自立」というより「反発」だったかもと笑っておられましたが、その気持ちが「暮らし方・生き方」を大きく変えたようです。
車いす用の改造車も見せてもらった私たちはひとつ疑問が浮かびました。免許を取るときはどうされたんだろう???特殊な車が教習所に???
桑原さんが免許を取られた際には、海南市にある教習所が「子ども女性センター」と提携していたらしく、そこに専用の車が配備されていたそうです。車いすユーザーでも免許を取得できる環境が整備されたいたことは非常にありがたいことだと思います。
おかげで、就職先選択も大幅に広がり、有田市から和歌山市まで車で長年通勤されていました。
行きはよいよい帰りは怖い~
市民会館でお話をした後、車いすに乗ってもらいました。隣にある市役所へ行くにはどうする?というこちらの問いかけに、受講者が坂を登り始めたのです(こちらとしては、諦めると思っていたのです…。予想外です💦)。
中学生男子なので力があり、登り切りましたが汗がにじんでいました。
市役所に到着して、エレベーターに乗ってみたり、そこにある鏡がどんな役割を果たしているのかを考えてもらいました。何事も経験すれば納得しますし、意味が分かれば配慮ができるのではないかと思います。
さて、この後市民会館の会場へ戻るのに、どんなことが起こったでしょうか?
この坂は無理!降りられない!
受講者は上り坂は何とかいけましたが、この急な坂を降りることはできませんでした。前を向いて降りるとスピードが出ますし、転倒する可能性があります。何より、怖いです…。
同様に桑原さんも自力で降りることは諦め、ワーカーが後ろに立ち介助しながら坂道を後ろ向きに降りてもらいました。
受講者は車いすに乗ったことがなかったらしく、体験してみて気づくことがたくさんあったようです。ハンディがあっても、持ち前のバイタリティでいろんなことに挑戦されている桑原さんの生き方にも感銘を受けたようでした。何かにチャレンジしたいと思った時に、公平にそのチャンスがある社会になればいいなと改めて思った講座となりました。
実はこのイラスト、いろんなパターンが出されていて、そのイラストを見ながら参加者で考えたことも学びになりました。
桑原さんとも話しましたが、いろんな人がいて、それぞれ暮らしづらさを感じる部分は違います。みんなにとってよい環境を創るのは非常に難しいかも知れません。それでもそれぞれの立場を理解しておくことで、一人でも多く暮らしやすさや楽しさを感じて生活できるようになればいいなと思います。
サマーボランティア体験講座
まだまだ参加可能な講座があります!
ぜひ、この夏体験から学びと成長の機会をつくってみてください。