和歌山大学観光学部有田市LIPの皆さんが10月30日、「太刀魚、シラス、箕島漁港見学」、31日は、「紀の国みかんどり」について学びました。

お話を聞かせていただいたのは、太刀魚、シラス漁などをされている伊藤さん、有田市役所「産業振興課」職員、㈱SJチキンファームの大峯工場長より、熱く、楽しくお話を聞かせていただきました。

まずはシラスについて

シラス漁は、時期により獲れる漁場が違い、日の岬から、大阪湾まで行くようで、今は30分~40分船で移動した漁場で漁をしているようです。
現在は、朝の6時に出発し、11時ぐらいに網をあげるそうです。
1船団4隻で漁をしており、箕島漁港でシラス漁をされているのは、17船団ほどあるようです。
1回の漁で、1杯約25㎏のシラスを1日平均20~30杯ぐらい水揚げされるようです。

1杯づつ船から上げる作業が、かなり体力が必要であると説明してくれています。

シラス漁には年間60日ぐらい出られるようで、それ以外の日は、他の魚を獲りに漁に出るそうです。

箕島漁港内を見学

漁から帰ってきた船から、魚が水揚げされており、リヤカーを引く人が漁港内を行ったり来たりして活気がありました。

獲れたての魚をリヤカー1台ずつセリにかけて値段が決まるようで、リヤカーの行列が出来ていました。

水揚げされた魚は、和歌山、大阪、名古屋、関東などへ出荷されるようです。

獲れたての「太刀魚」です。話を聞かせてもらった日は、太刀魚の水揚げ量は少ないとの話でした。

箕島漁港で漁師をされている年代構成をお聞きすると、60代の方が一番多いそうです。次いで50代。若い漁師さんもおられるようですが、若い方のなり手が少ないのが悩みだと。

漁の楽しさは、やっぱり魚が多く獲れた日はうれしいとの事でした。

子供たちに伝えたいことはとの質問に、魚が臭いなどのイメージだけで、魚を食べない子供さんがいると聞きますが、まずは魚を触って食べて、美味しいかどうか判断してほしいと。

有田市役所「産業振興課」の職員の方にもお話を聞かせていただきました。

タチウオのPR方法について
平成29年4月に、太刀魚を「市の魚」に制定し、立って泳ぐ姿などから11月11日を「たっちょの日」としています。
月に1回、市内の小中学校などで、太刀魚を骨ごとすり身にして天ぷらにした「ほねく」を使った給食を提供したり、11月11日には箕島高校の学食で、「たっちょほねく丼」を限定メニューとして出したり、太刀魚料理を出す市内の飲食店で共通ののぼりを店頭に掲げる取り組みを行っているそうです。
また、毎年(今年は6月3日~30日に開催)首都圏で多数の飲食店を展開する株式会社ラムラが運営する、和食店11店舗において「有田市食材フェア」を開催し、有田市特産品である日本一の漁獲量を誇る太刀魚を使ったメニューや有田市認定みかんジュースを使用したドリンクなどが提供されているようです。

紀の国みかんどりについて

まずは、加工工場内を見学させてもらいました。

更衣室にて、エプロンを着用し、マスク、帽子をかぶり、手の消毒を行った後、

付着した汚染物を工場内に持ち込まないために、エアシャワーを全身に浴びてから、工場内へ。

工場内では、鶏肉をカットし、焼き鳥用串に鶏肉を刺す作業をされていました。焼き鳥は、ゴールデンウィークや夏場に多く出るようです。平日は、1日500本~600本、休日は1000本以上作られていると。

他にも、唐揚げを1日120㎏程揚げ、冷凍にして出荷していると。
焼き鳥や、からあげ、ハンバーグのミンチ肉などの加工をされているようです。

工場見学のあと、大峯工場長に色々なお話を聞かせていただきました。

紀の国みかんどりの歴史にいて
戦後、養鶏用飼料を卸売りしていた雑治商店が独自で養鶏を行うようになり、鶏肉販売やお弁当の販売をスタート。
そこで、自社養鶏場にて一般に出回るブロイラー鶏との違いを出すために、約10年前より、みかんの本場和歌山でみかんジュースが製造される際に出る不要となったみかん果皮を飼料にブレンドし養鶏にも活用し「紀の国みかんどり」が誕生したそうです。

なぜ、飼料にみかんを使おうと思ったのか
和歌山県はみかん生産量日本一のみかん大国。その食の財産をもっと多方面で活用し、循環させることで「食」を通じてより一層多くの方々に和歌山の食文化を知っていただき、味わっていただきたいと思ってからだそうです。

仕事のやりがい
「美味しい」の一言をいただくの勿論ですが、加工工場SJチキンファームとしては、始まったばかりで、慣れない作業もあるが、身近で命をいただく尊さをかんじるからこそ、安全安心を第一に一つ一つ確実に取り組み、経験を積み重ね、「紀の国みかんどり」の可能性を最大限に引き出していきたいです。

おすすめの食べ方は
鶏肉は残る部位がないと言われるほど全部美味しく食べることができます。
みかんどり本来の味を味わえる、鍋(水炊き)、塩焼きもおすすめです。
もちろん、定番のからあげ、やきとりや、片栗粉で揚げ焼きしたのを砂糖とポン酢で絡めるのも美味しいですよ。

出荷先はどんなところがあるんですか。
阪神百貨店、阪急百貨店、泉南生協、オークワ、有田市学校給食、紀州路ありだSAなど

これから何か新しくはじめることなどはありますか。
ホームページの構築、各種イベントや物産フェアへの積極的参加、SJチキンファーム敷地内において「紀の国みかんどり」のコース料理店のオープンも予定しているようです。

学生は今回、有田市の特産品について学んだことを、子どもたちに伝えていきます。

ご協力いただいた皆さま、お忙しい中を本当にありがとうございました。