夏休みが明け、箕島高校の2学期の授業が始まりました。
2学期もどんどん地域へ出ていきます。
今日の授業は、箕島地区にある「グループホームひまわり」で施設や入所者についてお聞きし、来月行われる「洪水想定避難訓練」に一緒に参加するための学習をしました。

グループホームは生活の場であること、認知症という病気の方がおられるが、特に変わった生活をしている訳ではないと話してくださいました。

グループホームは漢字で標記すると非常に分かりやすいのですが、認知症対応型共同生活介護つまり、「認知症」に「対応」する「型」の「共同」で「生活」する「介護施設」なのです。と高校生にも説明してくださり、漢字って分かりやすいと思ってしまいました。

高校生たちは昨年度2年生の時に、認知症サポーター養成講座を授業で受けています。
この後、実際にグループホームへもお邪魔して、少しお話をさせてもらったりしました。
ワーカーからは何度かお話してみたら?と声掛けしたものの、なかなか言葉が出ずにみんな固まってしまいました。

そのことを社長に後で話すと、「それは当然よねぇ」と優しく話し始めてくれました。
何を話したらいいのか、初対面の人と話すときには緊張もするし、元々話をするのが苦手な人もいる。でも、この時も「認知症」の人だからと構えるのではなく、例えば、自分が新しくお友達をつくろうとするとき、相手を知りたいと思って興味が湧き、質問をする、声をかけるということがあると思う。それと何も変わらない。「今日もいい天気ですね」そんな一言から話が広がることもありますよね。
そう教えてくれました。

また、職員の方からは、自分たちがこの仕事に就き始めたころは、今のように避難することを災害想定ごとに考えるなんてなかった。それだけ、近年災害が多発しているし、想定を超えるものが起こっているということ。火災であれば地域から支援に来てくれるが、自然災害は皆が被災者になる。その時にまずはここに暮らす皆さんが自分で命を守れるようにすべきことを考えていると話してくれました。そのために、認知症の方でもわかりやすいように避難経路を掲示したり、個人別に、とろみ剤やお薬など必要なものをいれた非常持ち出し袋を用意しているそうです。

再来週には、グループホームひまわりの運営推進会議に参加させていただき、地域の方と共に避難方法について検討していきます。そして来月15日には実際の避難訓練にも参加させていただきます。

高校生がグループホームにいるという想定は考えにくいかも知れません。でも、こういった経験が彼女らの将来のどこかでつながってくるのではないかと考えています。そして何より、福祉職にとって、若い人が認知症の方のことを一緒に考えてくれるというのは嬉しいものです。人を理解するというのはいろんなきっかけがあっていいのだと思うからです。
人と接することで、その人の周りや社会にある課題を知り、その人のためにどんなことをすればいいのか。そうやって考えることが大事な学習プロセスだと思います。