同時多発・広域災害対応訓練へのご協力ありがとうございました!
職員研修のゴールと位置づけ、計画から準備、訓練本番と続けてきた『令和7年度 同時多発・広域災害対応訓練』を去る1月25日に無事、濃厚に終えることができました。和歌山県社協、市町社協、登録ボランティアの皆さんに積極的にご参加いただいたおかげです。
本当にありがとうございました。
記録として、訓練内容をご報告します。今回のブログは長いです!ご了承ください。
ボランティア参加の皆さんの流れ
受付は、スタンダードとなるキントーンアプリを活用しました。


4つの会場をオンラインでつないでの開会式
有田市会場が初動期、日高川町会場が立上期、みなべ町会場が活動期と3つのフェーズで同日実施しました。本部となる和歌山県社協から3つの会場に発信してくれました。

ボランティア役で参加いただいた方には、「被災者の心情を考えるワーク」、「自分に合ったボランティア活動を考えるワーク」、「防災ゲーム」で備えについて考えていただきました。

ボランティア参加の皆さんの最終プログラムの防災ゲームは、多様な立場の理解と自分自身に必要な持ち出し品を考えられるゲームです。こちらは、東日本大震災をきっかけに宮城のみなさんが考えてくれたゲームです。購入も可能ですので、リンクを貼っておきます。
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どのように困りごとをお受けするのか
今回、有田市会場は「初期対応訓練」と位置付けており、災害ボランティアセンター(VC)を立ち上げてから、被災者からの相談をどのように受け付けるかというところを重点に実施しました。
1階では、本番さながらの緊張感あるロールプレイが繰り広げられました。
ここで登場するのが、既にワーカーブログでご報告したニーズ受付のチラシです。
ぜひ、こちらのブログでチラシをご覧になってから以降の内容をお読みください。
チラシを作った職員が、そのチラシを見た方から電話相談や対面相談をお受けするという設定です。
私たちは相手に伝わるように考えて日々いろんなチラシ作成や広報をしています。
被災時は特に、相談あっての災害VCなのでチラシはとても重要になります。
でも、自分たちが作ったチラシは本当に相手にとって必要な情報を届けられているのだろうか、今回の訓練ではその点も重視しました。

被災時も、社協では通常業務が続きます。恐らく、福祉サービス利用援助事業やケアマネは相談業務がさらに増えるのではないかと予測しています。発災と共に新たな業務が増える中、不安定になっている利用者にどのように状況を理解してもらうのか、とても難しい演習でした。

それだけでも緊張感が増しますね…💦。
今回準備したシナリオは、1人につき2パターン。被災地で起こり得るシナリオを考えました。
人物設定やこの部分を強く訴えてほしいというオーダーを受けた町社協職員の皆さんがそれは見事に熱演してくださいました。
聴いている評価者たちが「苦しい訓練」と表現するほどリアリティのある演習になりました。
シナリオタイトル
1 本当の困りごとにたどり着かない認知症の独居被災者
2 被災地外にいる娘から状況の分からない親についての相談
3 被災していない金銭管理サービス利用者からの執拗な金銭要求
4 高齢夫婦のみの被災者
5 新築で床上浸水してしまった住宅ローンを抱えた被災者
6 被災しているが生活のために子どもを預けて働きたいシングルマザー
7 被災した店舗兼自宅で地域のためにサロンを再開したい熱血漢
8 仏壇の保護を一心に訴える高齢被災者
9 油臭い他人の車が庭に流れ着いて動かせない
10 世界遺産のみかんの石垣一帯を直したい
全員で意見出しして振り返り!
トータル1時間半ほど、被災者役・受付者・評価者・本部スタッフ役、全員が意見出しをして協議しました。
あっという間に感じた時間は濃厚で、それぞれの社協職員の気づきや指摘は本当に学び多いものでした。

チラシ評価
ここでは、先にご紹介したチラシについても評価をいただきました。
結論、すべてのパターンが「情報過多」という結果になりました。端的にいうと失敗ですね(苦笑)。
シングルマザーを演じてくれた町社協職員は、子どもを預けて働きたいという思いを強くもっており、チラシに子どもの預かりと書いているのにやってくれないのか!と憤りを見せるシーンもありました。
発災直後のチラシには、理想論ではなく、応えられることだけをお伝えしないと余計に混乱や不安をあおることになるのだと気づきました。
チラシもフェーズ(段階)によって伝える内容を変えていく、全員が実感して心に留めました。
確かに、応援に入った石川県でも何通りものチラシがありました。
こういったことも、これまで災害VCを運営していない私たちには非常に大切な学びとなりました。
対応評価
基本的な対応については、さすが普段から相談業務をしている社協職員たち。
それぞれが丁寧で寄り添った聞き取りであったと高評価をいただきました。
また、罹災証明や保険請求には被災時の写真が必要になります。その情報を伝えていた職員についても評価いただきました。
ただ、シナリオがかなり複雑だったので、個人では判断がつきにくいことについて独断で回答してしまったり、折り返しの電話をいつと特定せずに切ってしまったことなどの指摘を受けました。
被災時はみんなが必死で、とにかく来てほしいの!いつ電話がかかってくるの?と気持ちは焦るばかりだと思います。
折り返しの電話がつながりにくいこともあります。対応可能な時間帯を確認しておくことも必要とアドバイスいただきました。

本部評価
5人の受付者の内、本部に相談に来たのは2人。評価者からは「本部は職員が相談しやすい体制なのか」という投げかけもありました。
また、災害VCとして事前に方針を決定しておくことで、時間ロスや誤った対応を防げることも指摘されました。
3つの会場の訓練報告
最後は集合して、各開催会場から、立場の違う方々が代表して報告をしました。
有田市会場では次のお三方。

2階の参加者からも有田市社協らしく福祉教育の機能を発揮したワークであったと嬉しい感想をいただいています。
いくつか感想をご紹介します。
「色んな考えがあり、特技がある。人がよれば、社協だけではできないことも可能になることを学びました。」
「お互い被災者とはいえ、プライバシーや不安感からくるストレス面をどう対処できるか、何ができるか考えさせられた。」
「それぞれ立場の違う方のニーズを考えるのは難しいと思った。」
「資料を見るだけでは分からない事がたくさんあったので、今後もこのような会に参加して学びたいと思った」
前日の準備訓練から長時間に渡ってたくさんの方にご協力いただきました。
本会以外の方が協力してくださったので、これだけ内容の濃い訓練を実施することができました。
広域で共に作り上げた訓練ですので、この成果と課題は和歌山県全体で次につなげていきたいと思います。
(投稿者:M.T)












