有田市役所総務課人事係からのご依頼を受け、8月29日行政職員を対象とした研修を実施しました。
担当係と「外から見える行政像」などを意見交換しながら、社協と何を一緒に学ぶことが大切かを、計画時点からじっくり話し合ってくださいました。この担当係の姿勢をまずはリスペクトです。

市民とつながるまちづくり研修会

話し合いの結果、「地域共生」を目指すために必要な「当事者意識」をどのように施策や業務につなげ、連携していくかを考えることを目的としました。
そもそも行政と社協はパートナーシップがあるというものの、これまでご縁のない部署もたくさんあります。そこで、社協の業務を説明しながら、そこにある「当事者の思い」を代弁していきました。

参加者は、係長級以下の所属の違う方々が集まっておられました。「社協の事業を二つ以上言える方!?」と冒頭に問うと、しずか~に手をあげてくれた福祉課経験者の数名の方々に救われながら(笑)、ワーカー自身もまた宿題をいただいた思いです。それでも、皆さんが熱心に拙い話を聴いてくださいました。

当事者は誰か?

私たちは「当事者」という言葉を、課題を抱えた方という風な意味合いで使うことが多いです。行政が対応するのは全市民であることから、改めて「当事者とはだれか?」と問う短いワークを取り入れました。

短時間でもしっかり意見交換され、たくさんのワードが出されました。高齢者や障害者、移動の問題、デジタル格差、貧困、ひとり親、DVなど他にもたくさん出たのですが、ワーカーが何より嬉しかった回答がありました。
「暮らしづらさを感じている人」「みんなそれぞれ全員が当事者」
そうなのです。
それ以前のお話で、「ふくし」は誰の暮らしの中にもあること、その中でいつ誰がしんどさや生きづらさを抱えることになるかは分からないということもお伝えしました。元々理解されていたのかも知れませんが、これを発表してくださったことで、会場にいた皆さんで改めて共有することが出来ました。

定点観測のように、このチームを追います(笑)。秘書広報係・ふるさと創生係・生活環境係・教育総務係の面々です。

お互いの施策のブラッシュアップ

講義の後は、短い時間ですがワークを行いました。せっかく所属の違う方が集まっているので、それぞれの担当業務の中で、この当事者のためにこういう取組をしていますと話し合ってもらい、それについての評価・改善点を出し合ってもらいました。

発表に備えての打ち込み作業。立ち上がって意見出しをし、仕上げていきます。奥のチームもみんな一生懸命ですよね!

短時間の話し合いでしたが、どのグループもよい点や課題点、改善策をきちんと提示されていました。
せっかくなのでひとつだけご紹介。

◆消防本部では、「ジュニアメディカル講習」というのを実施し、子どもたちが救急対応について知り、興味をもつ機会をつくっているそうです。
これについて、チームでは、救急対応の先につながる医療機関・協力機関・教育関係者などと連携してはどうか?と意見が出されていました。

とてもいい案だと思いました。それが叶うと、子どもたちの理解が深まるだけでなく、フェーズの違うところで対応している方々の仕事がつながり、ひょっとすると本来業務への改善などに活かされるきっかけになるかも知れません。
どのチームの提案も「やってほしいな!」と思える内容ばかりでした。行政というのは大きな組織なので、どうしても縦割りになりがちですが、こうした機会や「市民・当事者」という視点で自分たちの仕事を振り返ることでまた新たな気づきがあるのではないかと思いました。そして、それは私たち社協職員も同じで、今日の機会をいただいたことで、ワーカー自身が行政の皆さんの思いや取組を知ることが出来ました。
今後もお互いの役割の違いを認識し、パートナーシップを発揮できるように、最後はもう一度社協にもお声掛けを!とお伝えして終えました。

お忙しい中ご参加いただいた皆さま、ご準備してくださった担当係の皆さま、職員の留守をカバーしてくださった皆さまに感謝です。