「第3次有田市地域福祉計画・地域福祉活動計画」を策定したことから、6月22日、有田市役所の職員の皆さんにその説明を兼ねて、一緒に地域福祉を考える機会をいただきました。

はじめましてのご挨拶から

この会は、有田市役所のすべての課に案内されたそうで、実に23の部署から参加がありました。普段の社協活動の中ではご縁のない部署もあり、社協活動をご存じない職員の方々も多くおられました。これは私たちの反省ですが、その分知っていただくすごくいい機会になったと思います!ご縁をいただき感謝です。
逆に私たちも、それぞれの課がどんな業務をされているのかお聞きしたいぐらいです。課の中にさらに係があるわけですから行政サービスはきめ細やかに考えられています。それでも制度の狭間が出てくるのが地域福祉の課題ではないでしょうか。

「地域福祉」という考え方をもち帰る

ご参加の皆さんは、所属が違えば年齢もバラバラ。「地域福祉」という概念に初めて触れる方もおられました。行政の担当課である福祉相談室長から、その考え方、計画の位置づけや背景、地域分析などを中心にご説明いただきました。

皆さん集中して聞いてくださっていました。有田市役所の庁舎は5階建て、本庁以外に水道事務所、消防、市立病院からも参加されており、行政職員同士であってもこうして部署を越えて話をする機会はほぼないとおっしゃっていました。

ワーカーからは、普段小中学生たちと考える入口と同じ方式で、「ふくし」はどこにあるかというお話からしました。行政職員であっても、「ふ」だんの「く」らしの「し」あわせは、皆さんの暮らしにもあるとお伝えしました。その上で、それが地域住民の皆さんの中にもきちんとあるのか、少し業務を離れて、ご自身の暮らしから考えることをしていただきました。
社協の実践は、住民主体であることをお伝えし、役割の違いもご理解いただけたかと思います。

今、地域で何が起きているのか

ワーカーの少しの説明の後は、この普段バラバラの業務をされている皆さんをごちゃまぜにしてグループワークをしていただきました。地域福祉計画や活動計画で重点課題と捉えた事象の背景を考えることから、アクションプランの作成までを短時間でチャレンジしてもらいました。
住民の皆さんとやるときには、最低でも3時間、余裕があれば2回に分けてやる内容を詰め込みましたが、さすが行政職員!はじめは分からないと手が止まっていたチームもヒントが出ればどんどん意見が出始めました。

このチームは、かなり丁寧に「若者流出」の背景について議論していました。
こちらのチームは「つながりの希薄化」という課題について、深めていくからと宣言していました(笑)。さて、結果はいかに!
こうして最後はどの班も立ち上がって模造紙にプランを書き込んでいました。最後は時間との闘いでしたが、「予想される効果」まで書き込むあたりが行政マンですね。

共に考えたことを各部署へ

最後は各チーム3分で発表へ。最後の詰めまでできなかったと申し訳なさそうにおっしゃるチームもありましたが、「地域に思いを馳せる」このプロセスがとても大事なことなのです。
アクションプラン:地区運動会の復活 
ワーカーは個人的にこの案に興味津々でした(笑)。昔はありましたよね~、withコロナの新たなやり方をあみ出さなければなりませんが、地域の長老に話を聞くという大事なポイントも抑えていました。地域に「楽しさ」は大事。行ってみたい、やってみたいが社会参加の第1歩ではないでしょうか。

いろんなアクションプランが出されました。でも、地域福祉を豊かにしていくのに、これさえすればいいという特効薬はないことをお伝えし、あいさつなどこつこつ続けることと、イベントなどで関心を引くことなど、バランスをとりながら一緒に進めていきたいとお伝えしました。「地域」を拠点に考えると、行政の中に関係のない部署はないのです。それをそれぞれの部署で伝達してほしいとお願いしました。
福祉相談室長からも、地域福祉は住民主体であるけれど、そのニーズを把握し、自分たち行政職員は条例や制度をつくり、制度の狭間の課題を解決できる立場にあると最後に伝えてくれていました。それぞれが役割を認識して、地域共生社会に向けて一緒に進んでいきたいと改めて思いました。