2020年から継続開催されている「野」自治会独自の避難訓練が7/17に実施され、社協も参加してきました。今年は特に先月6月2日の大雨で大きな被害を受けたので、その際の状況を聴き取りさせていただきました。

こんなん初めてやった!

避難訓練は、民間避難ビルである「トーヨーカネツ」の社屋と「野みかんセンター」の2か所で実施されました。社協はトーヨーカネツ会場へ参加しましたが、実際に6月2日の大雨の際にも20人ほどがこちらの社屋へ避難されたそうです。
その時のことをお聞きすると、皆さん口々におっしゃるのが「こんなん初めてやった」という言葉でした。もう半世紀近く野地区に暮らしているという方も、ここまでの冠水や浸水の経験はしたことがないとのこと。昭和28年7月18日に大水害があったことから毎年この時期に避難訓練をされているのですが、その時以来の被害だろうとおっしゃっていました。

2階休憩所をお借りして、水害の後の対応啓発も実施させていただきました。パネルをみて、「濡れたら、壁の中こんなになってまうんやな~」という驚きの声も出ていました。この隣のテーブルで、参加者の皆さんに冠水したエリアやその際の状況等を聴き取りしました。
次から次へとお声掛けくださり、野地区全体の冠水箇所をマーカーすることができました。また、この手書きの地図には、畑の浸水エリアもマーカーしました。書き込みを終えて眺めると、かなりの広範囲に渡って冠水・浸水したことが分かりますが、畑が水を吸ってくれたので家屋浸水が免れたという見方もできるという意見も出ていました。

自治体の避難発令よりもまだ早く

今回聴き取りをした中で、有田市内に「高齢者等避難指示」が出たのは6月2日の12時30分でしたが、野地区もその時間には冠水や浸水が起こっていたそうです。そのため、避難するにもできない状況になる人もいたようです。
自治体の避難判断は大きいエリアで行われているため致し方ないことでもあります。
以前、野自治会での学習会で学んだ各地域で決める「避難スイッチ」というのがポイントになると改めて感じました。
野自治会としては、今後の避難指示は独自判断で早めに発令していく予定とのことです。

参加者の皆さんのお話では、野自治会の南部を流れる高山川には、東に位置する辻堂地区と南に位置する山地地区の二手から排水した水が入り、有田川へ出ていく仕組みになっているそうです。今回は、有田川の満潮時と重なったために排水が追いつかなかったことが大きな原因だと思うと教えていただきました。有田川自体も木々が生い茂っており、また砂利も多く、浚渫して備えてほしいとのことでした。
今回の聴き取りでお聴きした冠水した道路を赤く塗っています。また、参加者から提供いただいた冠水時の写真を貼付しました。野地区は床上浸水エリアも広く、高山川に隣接する山地地区と共にかなりの被害がありました。
左上の2枚ならんだ画像は、右が冠水時で、左の画像にある赤い点線が冠水した高さになります。

避難訓練は猛暑の中行われました。トーヨーカネツの駐車場には起震車も配置され、小学生等の子どもたちの姿は昨年よりも多かったようです。
避難訓練を継続することの意味は、避難場所を知っておくこと以外にも、普段顔を合わすことが少ない地域の人たちが出会うことにもあると思います。
去年は参加できたけれど今年はできなかった高齢者、今年は家族全員で参加したご一家もおられました。
また、地域の役員をしてくださっている皆さんを知る機会にもなります。本当に暑い中、自治会、老人クラブ、婦人会等の皆さんが運営されていました。お疲れさまでした。いや~、暑かった💦笑。