伝わる喜びを感じたボランティア体験(有和中1年) 前編
毎日暑いですが、中学生たちと一緒に活動した熱い体験をご報告します。
始まりは、1学期の授業にさかのぼります。
中学1年生は「届け!私たちの思いとまちの未来」と題した総合的な学習の時間に取組んでいます。
授業で知ったリアルな福祉
1学期には、『第4次有田市地域福祉活動計画~概要版~』をテキストに自分の周りの地域課題について考えました。
その後、私たち社協職員に加え地域の事業所にご協力いただき、2コマの授業を実施しました。
その日のめあては、
「福祉現場のリアルを知り、深めたいテーマを考えることができる」
1コマ目は、私から事前に生徒にアンケート実施した内容と照らし合わせながら、「ふだんのくらしのしあわせ」について考えてもらいました。
アンケートはごく”ふつう”のことを聞いています。
例えば・・・

この回答をもとに、でも実は、毎日ちゃんと眠れない人が地域にはいるんだというお話をしました。
実際、不眠症の方や精神疾患の方などはお薬がないと眠れないことがあります。
ひょっとしたら「寝る」なんて当たり前のことだと思っているかもしれませんが、それが当たり前でない方もいることをお伝えしました。
他には

多くがお父さんかお母さんがゴミ出しをしてくれているのでしょう。
ゴミを出さないと家の中が不衛生になりますから、なるべくゴミは溜めたくないものです。
でも、高齢になると足腰が弱り、ゴミを出すことも誰かに頼まないとできない人もいますし、強いこだわりでゴミを溜め込んでしまう方もいます。
この他にも、「昼休憩の音楽放送が楽しい」「毎日ご飯を食べている」など合計で11の質問をし、その回答をみんなで確認しながら、そこに当てはまらない方の状況を説明していきました。
地域には、いろんな事情を抱えた方が暮らしているということをお伝えしたかったからです。
生徒の皆さんとは接点がない人もたくさんいます、でも、同じ有田市で暮らしているのだとしたら、それぞれにとって「ふだんのくらしのしあわせ」つまり「ふくし」を求めることはどのような状態が望まれるのでしょうか。
そして、みなさんもそんな何らかの暮らしづらさを抱えるときが来るかもしれないし、中には既にそんな状況にある子もいるかもしれない。
だから、不安なこと、困っていることを伝えられる力をもつこと(受援力)が大事だとお伝えしました。
いろんな寄付のカタチ
2コマ目は、社協職員に加え、AGALA、さくらんぼ園の代表にもご協力いただき、リレートークで寄付について教えていただきました。

正直、寄付したお金がどんな風に活用されているかは、地域の皆さんにもあまりお伝えできていないかも知れません。
赤い羽根共同募金は地域の皆さんからの募金を、地域で活動する団体や事業所、子どもたちにも還元しています。
AGALAさんでは、メンバーさんが使う掃除道具になっていたり、さくらんぼさんには生で見る鑑賞会が実施されたりしています。
AGALAさんの「迷惑をかけに来てください、でもそれは、感謝で返しましょう」という理念や、さくらんぼ園さんの園児たちの様子や長年続いている指定預託についてのエピソードも紹介いただきました。
社協でも、食べるものに困っている困窮者に対して食料支援を行う原資になっています。
今回の授業では、その食料支援を受けた方が陥っていた状況、それによって力を得て、地域活動にボランティア参加するまでになる事例も紹介し、いろんな形で「暮らし」を支えていることをお伝えしました。
せっかくなので、この授業を受けた生徒の皆さんの感想をほんの一部ご紹介します。
・今の話を聞いて福祉とは、地域や学校への支援活動だけでなく、一人ひとりに寄りそった支援についても詳しくしりました。福祉はだれか特定の人のためではなく、私たち一人ひとりが幸せに暮らせるものであることが分かりました。
・今まで、私は福祉について、障害者や、職の無いような人にしか関係がないと思っていたけど、今日の話を聴いて、誰にでも関係があることだと知りました。募金箱を見かけたら、お金を入れてみようかなと思いました。
・社会福祉協議会の人たちの話を聞いて、平和に見える有田市でも今助けを求めている人がたくさんいると分かった。有田市をもっとよい地域にするために自分も誰かの役に立てるように活動できるような人になりたい
・私は、寄付について詳しく知らなかったけれど今回の授業を受けて一人一人の思いをきちんとわかってくれているのだなと少し暖かい気持ちになりました。ボランティア活動にも取り組んでいきたいなと思いました。
・私は最初あまり福祉というものにいいイメージをもっていなかったけど今日の話を聞いて福祉というものは地域や個人などの支援活動を行い、地域で困っている人をなくすそんな活動をしていると知り、福祉というのはとてもすてきな取り組みだなと思った。
・講演を聞いて、たくさんの高齢者や障害者の人が孤立してしまったり、自分ができるようなことが、できない人がいるという現状を知りました。そんな人たちを助けるために、自分も含めたふだんのくらしの在り方が幸せであるようにする福祉があるとわかりました。また、頼れる人がいなくて、楽しい生活を送れていない人をなくすために、自分たちにできることがたくさんあるとわかりました。
伝わる喜びを感じるボランティア体験
この授業を受けた後、先生と相談して提案したのが夏のボランティア体験です。
地域課題解決のための募金活動をしようという内容です。
何と当初、やってみたい!と希望を出した生徒は49人!
ビックリしました。
学年の3分の1近い生徒が希望したことになります(いい授業だったのだと勘違いするやつです笑)。
最終的に、3回の活動日すべてに参加できるという生徒は8人になりましたが、みんなでがんばりました。
誰のために?何のために?を深める問の時間

まずは、何が課題で、どんな姿を目指したいのかを話し合うことから始めました。
1学期の授業で自分が選んだテーマについて深めます。
今回集まった生徒たちは「こども」「防災」「高齢者」の課題について関心をもっています。
この議論、ほんっとに面白かったんです。
問いに問いを重ねることで、みんなが一生懸命考えました。
例えば、高齢者に関する課題だとこんな展開になりました。
「年金が少ないんじゃない?」
「でも、おじいちゃんやおばあちゃんはお金くれるで」
(なんでお金くれるんやろ?)
「お金余ってるから!」(ほぼ全員で笑)
これには私も先生方も大笑いしながら、ほんまにそんな理由かな?と問い返しました。
さらには、
「でも、お金があっても使えんかったら意味ないよな」
(高齢者ってどんなことにお金を使ってると思う?)
「病院!」「接骨院!」「タクシー」「施設に入ったらそれにもお金いるで」
なかなかリアルにみている子どもたちです。
こんなやりとりを繰り返して、何のために募金をお願いしたら伝わるのかを考えました。
伝える活動ミッション5
2日目には、伝えるための道具の制作とミッションの確認、ロールプレイをしました。

この作業も見ていてとても面白かったです。
一人ひとりの個性が良く出ますね。
慎重に進める子もいれば、ダイナミックに進める子がいたり、上手に人に託す子もいれば、コツコツ自分で仕上げる子もいます。
ほんとに人はさまざま。でも、最終的には短時間でバッチリ準備することができました。
今回の活動の目的は、お金を集めることではなく、思いを伝えること!
この大事なポイントをみんなで確認し、具体的な数値目標を決めました。
ミッション1 100人の人に声をかける
ミッション2 50人の人に立ち止まって話を聴いてもらう
ミッション3 50人の人にアンケートシールを貼ってもらう
ミッション4 20人の人にアンケートの理由を聞く
ミッション5 50人の人を笑顔にする
そして、この活動に関わっていない先生方を捕まえて声掛けの練習に!

余談ですが、この後、晴れて男子バスケ部は全国大会へ進みました(おめでとうございます)!
通りすがりの方に声をかけるのは、知った顔の先生でもすぐにはできないことでした。
さてさて、本番ではちゃんとできるのか!
後編につづく・・・。
(投稿者:M.T)







