和歌山大学観光学部有田市LIPの皆さんが「みかん」について学びました。

相手をしてくださったのは、有田市役所「有田みかん課」「産業振興課 ブランド推進係」のお三方と、個選農家さん。
有田のおいやんたちってほんとユーモアにあふれていて、楽しく、熱く話してくださいました。

まずはみかんのこと。

有田みかんは実に400年の歴史があります。有田みかん課さんの話と農家さんの話からすると、この有田市はみかんづくりにとても適しているそうです。
西側に突き出た半島、海に近い温暖な土地、水はけのよい土壌、普段の雨が少ない、古生層という長い年月かけた土壌の中に含まれる微量要素が食味を出している。ということです。
だからこそ、だからこそ農家さんたちの努力が問われているそうです。
実際、これだけ適した土地だから、放っておいてもそれなりのみかんは育つらしく、でも、もっと美味しく、違う味を出したいという探求心や想いによって、有田ブランドを作られているそうです。

みかんの顔はどっちか分かる?と実際のおみかんで教えてくれました。
いわゆる「ヘタ」のついた方はお尻だそうです。一般的に下になっている方がお顔なんですって。
これには、大学生も「へ~」と声がもれました。

美味しいみかんの見つけ方(有田みかん課と農家さんからの話から)
① ヘタが細く、黄緑になっている
② 油胞(皮の表面にみられるぶつぶしたところ)が細かい
③ 皮の表面がぼこぼこしている
④ 少し傷があっても良(みかんの木の外側で太陽をたっぷり浴びて育った証拠だから)

ブランド推進室の方からは、(株)リクルートと協定を結び、有田みかんのブランディングを行っていることもお聞きしました。
有田みかんは京阪神では知らない人はないぐらい有名ですが、関東になると愛媛ブランドなどに知名度が負けるそうです。
そこでターゲットを絞った、オシャレなみかんの売り方をしているとか。もちろん、「有田認定みかん」という、行政である有田市が何段階もの審査を行い、認定したみかんも平成22年から送り出しているそうです。その審査員にはあの有名なパティシエの鎧塚さんもおられます。

ブランド推進室の方のお話を一通り聞いた後、学生から「最終に目指しているものってあるんですか?」という問い。
これもいい質問でした。そして、ずばり答えてくれました。プロジェクトチームの皆さんが語り合ってつくり出したというのがこちらです。

みかん作りは生き方や次世代につながる私たちの誇りなんだなと感じました。
郷土にそんな誇れるものがあるって嬉しいことです。

農家さんの話は、これまた目頭が熱くなるような素敵な話がたくさんありました。

30歳で実家に戻り、就農したという農家さん。元々継ぐ気はなかったそうです。大学時代以降、実家から送られてきたみかんを周りの人に配っていると「うまい!」「美味しい」という声をたくさん聴いた。そのことが自分の背中を押してくれたと言います。
小さい頃からずっと冬になれば夜中まで作業し、土日の休みは固定されておらず、しんどいことばかりというイメージの農家だったそうです。でも、その姿を見てきたからこそ、きっと周りの人の「うまい」という言葉の重みを感じられたのだと思います。
ご自身にも息子さんがおられるけれど、継ぐことは強要しない。でも、息子さんが俺も農家しようと思えるような姿を見せたいとおっしゃっていました。昔の農家と違って、土日にも意識して休みを取り子どもや奥さんとの時間を確保する。きっとその分そうでない時間にたくさん努力されるのだと思います。そして、上手いと言われるみかんを作り続けることだとおっしゃっていました。

みかんの苗木は、植えてから安定した味を出せるようになるには20年かかるそうです。だから続けなければならない。美味しいみかんを「つくる」ことと「続ける」ことは同じだけ大事なことなんだと教えてもらいました。
有田市の約11,000世帯の内、就農されているのは約1,000世帯と聞きました。高齢化や廃園による鳥獣被害を考えると外から就農してもらうことも視野に入れていきたいとおっしゃっていました。

↓有田みかん課さんはお仕事の都合で集合写真に入ってもらえませんでした。すみません。

まだまだたっぷりとお伝えしたいことはた~っくさんありますが切りがないのでここまででお許しください。
学生は有田みかんについて学んだことを、子どもたちにまた伝えていきます。

ご協力いただいた皆さま、お忙しい中を本当にありがとうございました。