昨夜の警報が嘘のように午後からは青空が広がっています。
いいお天気の午後からは箕島高校のみんなと市役所へお邪魔しました。

お相手してくださったのは「経営企画課まちづくり係」のお二人。
昨年度、箕高の先輩たちが出した「デマンド相乗りタクシー」の導入という政策提言を深堀していくために、移動について学びを深めていくのが今年度の大きな目標のひとつです。

事前に高校生から公共交通、特に「デマンドバス」に関する質問票を担当者に出していました。
それに沿ってご説明いただきました。
ワーカーも知らなかった情報がたくさんあり、高校生のおかげで私たちも勉強になります。

お写真はインタビュー後半で少し和んだところを撮影。実は、高校生には難しい内容だったようでみんないつもより硬い表情で聞いていました(笑)。

移動というテーマで今世の中の関心が高いのは、高齢ドライバーについてではないでしょうか。
高校生も質問にあげていました。
運転免許証の自主返納は増えていて、和歌山県下でもここ数年は2,000人以上が返納しているそうです。
ただ、全国的にみると47都道府県中40位という順番だそうです。
もちろん東京が1位、大阪で2位は予想通りですよね。都会には代替手段が備わっています。
車のない生活をワーカーも考えるとそれはなかなか勇気のいることです。
先日の子どもたちが犠牲になった事故を思えば、心が痛むものの、だからすぐに返納とはいかないのが田舎のしんどいところだと思います。

有田市で走っている「デマンドバス」は平成19年から3年間社会実験として実施され、その後中紀バス㈱さんが国の補助を受けて正式に運営しているそうです。
有田市で走っているデマンドバスは一般的なデマンドバスとは違います。決まった時間に決まった場所に停まるのが基本で、一部区間のみ事前に連絡しておかないとスルーされるデマンドバスだそうです。どこでも停まってくれるデマンドではなく、ちょっと消極的なデマンドバスですが、利用率の少ないところを効率よく走らせるための策だそうです。

昨年度で利用者数はのべ14,809人(年間)。
社協のある「福祉館なごみ」も停留所のひとつですが、どちらかといえばだれも乗らずに行ってしまうことの方が多いです。
そしてそれは、有田市内全域に同じことが言え、赤字運営を続けておられます。
その額は正直想像以上でした。それでも地域貢献として頑張ってくれています。

利用者が少ないならなくせばいいと思う方もいるかも知れませんが、一部の方にとっては通院や駅へ行くためになくてはならないものです。実際に市が行った市民アンケートでも、今はいらないけど高齢になれば必要になる、高齢者にとっては必要だろうという意見がたくさんあったそうです。

行政が関与すれば、何らかの税金が使われるということであり、人口減少と少子化が進む中で税収が減るのは分かっていることです。
そんな中で、「実際に困る人がいるなら」、「いつかは自分もその立場になるから」と考えるお互い様の精神が住民による新たな仕組みを生み出してくれればいいなと感じました。以前からご紹介している新堂老人クラブの買い物サポートもこの精神からスタートしています。

高校生がどんな感想をもったのかお聞きしながら、まちづくり係と地域包括支援センター、そして社協も一緒になって考えていきたいと思います。

最後にみんなで記念撮影。長時間説明してくださった担当さん、ありがとうございました!