まちかど相談所チャレンジ講座 10月21日に開催した内容の一部をご紹介します。今回のテーマは「コミュニティ・スクール」。皆さん、この仕組みをご存知ですか?

講師として迎えたのは有田市教育委員会で「有田市コミュニティ・スクール推進員・地域学校協働活動推進コーディネーター」として活躍されている下田喜久恵さんです。

実は、和歌山県のコミスクマイスターでもある先生なので、国の施策等についても詳しく教えてくださいました。

学校と地域の関係性は変わっていく

有田市もそうですが、地域の皆さんは、子どもたちのためならいろんな支援をしてくださいます。読み聞かせにいこうか、子どもが喜ぶイベントをしようか、農業や漁業のことを教えようか。これまでもたくさんのことをしてくださってきました。大変ありがたいことでしたが、それは例えば、その時の校長先生の考え方だったり、地域の方の思いであったり、やってあげようという地域からの一方向の関わりだったこともあるかも知れません。
コミュニティ・スクールでは、地域と学校が双方向の関係性になり、対等な関係を目指します。だから学校も子どもたちと共に地域のためにできることを進めていきます。

対等な関係になるためには、お互いのことを理解する必要がありますね

その核を担うのがコミュニティ・スクールになります。単刀直入にいうと、「学校運営協議会」を設置している学校が「コミュニティ・スクール」になります。
学校運営協議会は、民間でいう株主総会や理事会のイメージです。校長先生は、どんな学校運営をするかを学校運営協議会に説明し、協議の上、承認してもらう必要があります。
有田市は、コミュニティ・スクールを導入して5年目になります。市内には10の学校運営協議会があり、初島地区のみ小中合同で設置されています。

実践しながら形を変えていくそうで、今現在の姿です。

参加者の皆さんは、この仕組みをご存知の方もそうでない方もさまざまでした。元々有田市ではいろんな団体が教育に関わってくれていますが、それを校長先生が変わっても、この町で暮らす子どもたちをこんな風に育てたいという共通目標に向かって進める、持続可能な仕組みがコミュニティ・スクールです。

文部科学省のCSマイスターの貝ノ瀬先生の言葉です。

お話の中では、こんな素敵な言葉もご紹介いただきました。時代はこれからどんどん変わっていきます。人口構造も働き方も、情報の捉え方も変わります。その中で変わらないのは人と人とのつながりであり、その関係性があってはじめて豊かな人育て・地域づくりができるのではないでしょうか。

講義の後は、グループで思ったことや疑問などをワイワイと話し合いました。子育て世代からは、まさに地域での子育ての課題である「子どもたちの遊び場がない」ことなどが出されていました。子どもたちの育ちは学校と家庭だけで成り立つのではなく、地域が果たす役割も大きいです。毎日の遊びの場が地域の中にあればありがたいことです。

今回は参加者最年少の赤ちゃんも!(笑)

最後は各グループで話し合ったことを発表し合い、全体で共有しました。それぞれの地区のお話もされたそうで、「有田市に何十年も住んでいるのに、今日初めて聞いた地名があった!」とか。みんなで笑いながらも、実は大人だってまだまだ地域のことを知らないのかもしれないと話しました。子どもも大人も一緒に考えることができるコミュニティ・スクールを活用して、よりよい有田市にできるようにと思います。