今年度、初めて社協がコラボさせてもらうことになった箕島中学校2年生の総合の学習の授業が始まっています。
実は、中学校ではキャリア教育の位置づけですが、学習指導案は社協からの持ち込みです。自分たちが暮らすまちの現状や歴史を様々な立場の方から調べることを通して、地域の一員として期待されていることや、自分たちにできることを考え、具体化し中学生のアクションプランをたてることを目標としています。先生方も前向きに検討してくださり、箕島中学校でできる形を一緒に考えてくださっています。

社協としては、この授業過程で多様な方との対話をとおして、生き方や価値観、まちをつくる一員という考え方を知ってもらいたいと思っています。
そして、この授業は、今年度有田市社協が策定する第3次有田市地域福祉活動計画にも掲載予定です。次代を担う子どもたちが課題解決に取り組むことを応援していきます。

中学生が考えたまちの課題

初回の授業では、まず、自分たちでまちのいいところ、イケてないところ、こんな風になればいいなぁということを出し合っています。
画像が小さくて申し訳ないんですが、「遊べる場所が少ない」、これは切実ですね。ふるさとへの愛着は、「人」だけでなく「場所」にもあると思うからです。そして、この結果を聞いて初めて、海に囲まれているのに泳げる海がないという課題を知りました!私たちが子どものころはあっちにもこっちにも泳げる浜があったんですが、追って真相解明するつもりです。

有田市役所経営企画課まちづくり係から素敵な講師をお招きしました。写真が遠くてすみません。

2回目の授業では、大人目線の課題と解決策を教えてもらいました。
やはり最大の課題は「人口減少」、生徒たちも恐らくこの言葉は聞いたことがあると思いますが、それがどう影響するのかまでは考えたことがなかったかもしれません。

これを見ると、なかなかの急降下です・・・(汗)
講義の中で、「生産年齢人口」という言葉を何度も聞きました。

人口減少を何とかするために、今春から有田市役所では「MarryYou」という二人の未来応援パッケージを打ち出しました!
詳細はリンクの有田市ホームページからご覧ください。
https://www.city.arida.lg.jp/kurashi/kosodatekyoiku/1003451/index.html
結婚から出産、子育て、子どもさんの就学までをセットで経済支援してくれる内容となっています。
そして、この大きなプロジェクトを支えるのは「ふるさと納税」。
何とっ!有田市のふるさと納税は近畿でトップだそうです。
「総額いくらだと思いますか?」
の問いに、一緒に聞いていた先生は「20億円ぐらいですかね?」と小声でおっしゃったんですが、正解は「40億円!」大人たちがびっくりして声を出してしまいました(笑)。

でも、そのふるさと納税を支えているのは、特産の「有田みかん」「太刀魚」などの地場産業を支えてくれている地域の皆さんがおられるからこそ。
そんな人たちの思いも聞いてみてほしいですね。

大人の意見と自分たちの意見を比べるために講義のまとめをしています

翌日の3日目には、初日に出した自分たちの意見出しのシートに大人の意見などを書き足していきました。その上で、自分たちが解決したい、気になる課題を考えていきました。
この授業の冒頭、先生は「いいか!とにかく自由に、楽しく!考えよう」と繰り返していました。そうです、総合の授業は自分たちでつくり上げていく探求の時間ですから、「自由な発想」を忘れずに進んでほしいと思います。だって、与えられたことではモチベーションは上がりませんからね。

この後、この3日間の学びを各家庭に持ち帰り、おうちの方とも議論してきてもらいます。
社協ワーカーも中学生との対話で気づく視点があり、大変勉強になります。これからどんな風に子どもたちが自由に授業をつくっていってくれるのかとても楽しみです!