勝手にシリーズでお届けしている有田市内3中学校1年生合同総合学習「ゆうわプロジェクト」ー未来の就職説明会ーですが(長い…)、もう少しお伝えしたいことがあります。

大人たちの遊び心とワクワク感

以前にもお伝えしましたが、この企画、参画してくださった企業の皆さんがノリノリだったのです(笑)。ご相談に伺ったときに子どもたちのことから有田市の未来まで1時間も喋りこんでしまったところもありました。
今の子どもたちに「有田市ええとこやで」、「働くっておもしゃいで(和歌山弁:面白い)」と伝えたい一心になってくれた方がたくさん。それは、先日のワーカーブログの様子からも伝わったのではないでしょうか。
まだお読みでない方はぜひぜひご覧ください。

そんなワクワクの代表格は大量のお魚を持ち込んでくださった「浜のうたせ」チーム!狙い通り?地元テレビわかやまさんの取材ではひと際大きく取り上げられていました。これも戦略ですかね。

ドーン!漁獲量日本一の「たっちょ」です。太刀魚のことを有田では「たっちょ」と言います。「たっちょの炊いたん・焼いたん」は「太刀魚の煮つけ・焼き物」ぐらいの意味合いです(笑)。ワーカーも思わず、でっかっ!と口にしてしまいました(言葉が汚いですが汗)。
前日はお天気が悪かったので、鯛は他の市場のものになってしまったととても残念そうでした。が!全然問題なし!この写真は一部ですよ、「6回回ってくる生徒たちに同じように下す工程を見せちゃるんや!」と意気込んでおられました。

実は会場に一番乗りされたのが、恐らくもっとも繁忙期の農業法人「早和果樹園」の会長さん。この時季なので手伝いに来てもらえる若い人がいなくてとお一人で色々と持ち込んでくださいました。その中のひとつがこれ!

え?え?何ですか?これ。ぶどうみかん?
6~9月頃に行う摘果(てきか)という作業をされなかったのか、1本の枝にこんなにみかんが成っています。私たちのような業種では出会うことがありません。夏の暑い時期に行う摘果はとてもしんどい作業だと思いますが、コツコツ行う農作業が美味しい有田みかんを生み出しているんですね。こんな実の成り方をしたら収穫が大変ですし、味もよくないでしょう。1枚の葉に対しての果実数のいい塩梅があると、以前農家さんから教えてもらいました。

先生や社協だけが盛り上がってるんじゃない?

このシリーズのブログをお読みになっているみなさんは、ひょっとしてそう感じておられませんか?私たちも12月の忙しい時期に企業の皆さんにお願いしたので、正直そこは本当に気になるところでした。
でも!見てください、これを!

当日参加されたすべての企業さんが回答してくださったアンケートのひとつの項目です。意義がある!が100%ですよ!選択肢が少ないからだとか突っ込むのはなしにしましょう(笑)。この項目の理由欄の記述をお読みになると納得されるはずです。

皆さん、喉がカラカラになるまで喋ってお疲れになったことだろうと思いますが、全企業がこの取り組みは意義あることだと回答してくださいました。その理由として、こんな意見もいただきました。

・好奇心の多い多感なお年頃に色んな刺激を与えてもらえる機会があるということは、これからなお人生に有意義に生きていける糧になると思います。
・ 企業に於いても、社員に優しく意欲的に働ける環境を整えることに努力している事を知ってもらえたと思う。
・ 学校で学ぶことが、社会でも行われている事を確認できるので、学びが深くなる。
・地方の就職先を増やすために必要なことだと思ったから。

本当にありがたいことですね。
そして、実は来年度もこのゆうわプロジェクトは主軸を変えながらも続いていく予定なのですが、そちらへの参画について問う質問では、8割以上の企業様が参画したいと回答してくださっています。
「地域で子どもを育てる」「地域が子どもを育てる」この言葉のような実践が有田市で広がっていく可能性を感じます。

大人だけが盛り上がってるんじゃない?

こうなってくると、当の生徒たちはどうなのかと思い始めますね。そう思われるのは自然です。大人ばかりが盛り上がっていても意味がありません。
ワーカーは日々生徒たちを見ているわけではないので、その辺は先生方に確認しています。こんな意見が出ています。
【当日】
・普段積極的に発言しない生徒が、6人ずつというのもあいまって全ての質問に回答していた。
・ほとんどの子が、相手の目を見て話を聞き、ちゃんとメモしたり質問したりしている様子が見られた。
 ブースで対応したワーカーとしても、目を見て聞いてくれている子が確かにたくさんいました。目に力を感じるとでも言うのでしょうか、向き合っていると感じ取れるものってありますよね、目がキラキラしている子が確かに何人もいました!
【前後】
・生徒たちの話し合いの内容が変わってきた。
・自分たちで議事を進行しながら深められている。
・楽しそうに、主体的に進められるようになってきた。
・800字の振り返りを書いているが、真剣そのもの。全員集中してタイピングしていた。

これだけ大きな集団の中では、もちろん下を向いている子や消極的に感じる子もいました。でも、だからと言って何も感じていないということではないですし、表面にあらわれるものがすべてではないと、後の先生方とのやりとりで教えてもらいました。生徒一人ひとりが自分のペースでステップアップしていけることが大切です。

確かに感じる生徒たちの変化や気づき、奥底で感じ取っているであろう思いを、今後もっと深めていけるようにチームゆうわの大人たちも一生懸命です。この先の展開について、3学期のスタートまでに会議を開こうと調整を進めています。