ご報告が遅くなりましたが、去る11月10日/11日に保田中学校3年生の技術科授業に強力な助っ人たちと入りました。

テクノロジーで課題解決

ワーカーブログで以前にご紹介した授業のその後です。
そのブログをご存じない方はぜひご覧ください。
https://aridashi-shakyo.jp/3352/

この先のブログ授業の後、生徒たちは班に分かれて、解決したい課題と仕組みを考えてきました。本当ならば、課題を抱えた方と対峙するところから始めたいところでしたが、コロナ禍ということもあり、今回は開発途中のデモ機を手に取ってもらい、ご意見をいただくという交流会を企画いただきました。

社協ワーカーは日ごろのネットワークを使って、高齢者と福祉専門職にお声掛けしました。保田中学校の子どもたちなので、その校区にお住いの高齢者と民生委員さん、地域福祉ネットワーク会議でもお声掛けさせていただき、お忙しい業務の中、社会福祉法人 守晧会の皆さんにもご参加いただきました。

交流もオンラインで!今回は4つの班があったので、有田市社協に3会場と、守晧会にも別会場を準備いただきました。

交流会もオンラインで開催

中学校技術科の先生が考えた授業は、ZOOMを使った意見交流会です。全体説明の後、班ごとにブレイクアウトルームに分かれ、その班に高齢者と支援者がそれぞれ一人ずつ入りました。前日に、高齢者の手元に生徒たちがつくったデモロボットが届けられていました。

高齢者が普段の生活で困っていることや、危険なことを解決する仕組みを考えていました。8つの班はそれぞれ違うテーマです。
例えば、
・体調の変化をセンサーで分かるように、犬型ロボットをトイレに置き、人感センサーが作動して動かないようであれば通報するというロボット。
・外で何か危険なものが落ちてくるようなことがあれば一番大事な頭を守れるようにと、センサーが作動してヘルメットのようなものが起き上がり頭を守るという装置。
・ペットボトルなど硬い蓋を開けるロボット
・点滅に従って動く体操ボード(勝手に名付けてます笑)
 他にもいろいろありました。

あたまを守る装置のデモ機です。ワーカーは逆さまに置いていて、画面の向こうから生徒たちに「逆逆!」と突っ込まれました(笑)。振動に反応して緑色の部分が起き上がってきました(びっくり)。

もちろんデモ機なので、今の状態をみてもなかなか分かりづらいところはありますが、皆さん手に取りながらアドバイスをしたり、分からないことはそのまま伝えたり、こんな想定も考えられるんじゃないかと提案したり、一緒にいいものをつくろうと考えてくださいました。

今回の交流会は学びの途中なので、この意見を取り入れながら生徒たちは改良していきます。出来上がったものはまた報告してくれます。それも限定配信の予定なので、社協としては皆さんと一緒に見ながらワイワイする機会にしたいと思っています。その後はご意見を提出するという宿題つきです(笑)。

終わった後のほっこり話

授業を終えた高齢者の方がカバンから取り出して見せてくれたものがあります。私たちにはハッキリ記憶に残る「紹介シート」でした。今の中学3年生とは小学校6年生の時も一緒に授業をつくりました。そのテーマも高齢者理解でした。
ということで、たまたま同じ方が授業に入ってくださり、「あの時の子がいたら、これ見せてあげようと思ったんや」とお持ちくださったんです。小学生らしい字で書かれたシート、オンラインだったので見せることはできませんでしたが、ちゃんと先生にお伝えしました。
小学校の時にどんなことをやったのかは、こちらのブログからどうぞ!
https://aridashi-shakyo.jp/2213/ ←導入授業
https://aridashi-shakyo.jp/2185/ ←2回目授業
https://aridashi-shakyo.jp/2108/ ←紹介シートはこれ!

社会に開かれた教育課程

文部科学省の学習指導要領に書かれている「社会に開かれた教育課程」は、今回の授業のようなことではないかと感じます。
実際に困りごとを抱えた方の意見を聞き、自分たちの学びの中で解決できるように考えることや、対話することが組み込まれていることが素晴らしいと思いました。教科書の中だけで学ぶのではなく、誰かに役立つことを地域の方と一緒に学んでいけるとお互いにメリットがあると思います。
今回のように、地域の方がその子どもたちの成長を継続して見守り、喜んでくださっていることが何より嬉しいことです。